近年では至るところで「好きなことを仕事にしよう!」といったような意見や発信を、ますます多く目にするようになってきました。
YouTube、TikTok、Twitter、Instagramなどを始めとするSNSでは、様々なジャンルで、さまざまな情報を発信することによって、生計を立てる人たちも目立ってきています。
そういった私も5年ほどは、インターネットの発信で主に生計を立ててきた一人で、そこから派生してバーの経営を経験したこともありました。
また知人には、具体的なキャリアとして酒類業界を選び、様々なサービス業や輸入業へと大きく方向性を決めた人も数多くいました。
今回は、「ウイスキー好き」「お酒好き」を 生かして、今後仕事にしたい人へ向けて、いったい具体的にどのような選択肢があるのか?をまとめた記事になります。
より多くの選択肢から検討することで、ご自身の状況にあったものからぜひ、チャレンジしてみていただけたら嬉しいです。
そもそも「ウイスキー好き」「お酒好き」は仕事にできるのか?
「好き」こそ業界が求めている圧倒的な資質・才能
まず大前提として「ウイスキー好き」「お酒好き」を仕事にできるのか?ということですが、結論として「できます」。
少し前の社会的な常識観として、なかなか「好きなことをして生きていく」ということがピンと来ない、という方は多かったかと思います。
現実的に、”好き”を仕事や生業にしている人はかなり多い印象が、個人的な視野から、とても増えてきていると感じています。
年齢に関してもかなりバリエーションやパターンは様々で、「若いからできる」「歳を取っているから遅い」といったことも、熱量によっては比較的柔軟にルールが覆るケースも多い印象です。
”若き天才”が参入しづらいジャンル「お酒」
「お酒」というジャンルは当たり前ですが、一般的に20歳を超えてから興味を持つ・実際に体験できるものです。
なのである意味、野球や将棋のように「若き天才」が突如として現れるといったケースはあまりありません。
経験値や感情ベースの思い入れによるところが大きく、むしろ何よりも「好き」が力を発揮しやすいジャンルと言えます。
必要なスキルとして、「味が分かる舌」ということがあげられますが、実はそれ自体も多くの場面で「好き」に敵うことがなく、「味が分かる」ということは、そもそも極めて主観的なことであり、外から確認しようがないのも事実です。
なによりも「好き」ということが世間や人々の興味を引き、熱量や情熱によって成果が大きく異なるジャンルだと言うことができます。
実際の稼ぎはどれくらい?
様々な選択肢があるため、その可能性自体はかなり多様です。一概に「稼げる」「稼げない」と言うことはできません。
ただそれ以上に、「好き」であることを前提にした働き方というのはとても充実感があり、心理的負荷が小さいというのは大きなメリットです。
以下に書いた具体的なキャリアの選択肢の掛け合わせによって、その成果は大きく変わってきますし、実際にバーを経営しながらYouTubeで広告収益を得る方も多く見られるようになってきました。
最新のトレンドやテクノロジーの掛け合わせによって、いくらでもフレーズする可能性をまだまだ秘めているのが、このジャンルにある潜在的な可能性・魅力であると感じています。
また、「本業にするのか?」はたまた「副業にするのか?」などはご自身の状況によっても大きく異なります。
現代ではグラデーション的に、またはポートフォリオ的に形成することも十分に可能な時代のため、多種多様な働き方・収入の得方が存在しています。
具体的なキャリアの選択肢
今回は以下の選択肢を上げ、それらについて具体的にまとめました。
- 酒屋でスタッフとして働く
- バーでバーテンダーとして働く
- 蒸溜所で働く
- 輸入業者で働く
- 愛好家団体や出版団体の求人に応募する
- ご自身でバーを開業する
- ウェブライターに応募する
- ブログやSNSで発信する
- テイスティングセミナーを開催する
- コミュニティを運営する
- 独自のクリエイティブから新たなポジションを創り出す
ほとんどの場合、上記を単独で行うというよりも掛け合わせ、シナジーを生み出すことで成立させています。
ご自身にあったもの、興味のあるものから参考にし、ぜひ楽しんでチャレンジしてみてください。
酒屋でスタッフとして働く
まず一番最初に考えられるのが「酒屋で働く」ことです。
基本的なお酒の知識が求められ、どんな方が、どんなシチュエーションで、どんなお酒を求めているのか?を知ることができるため、業界への入り口としてはじめの一步、または終着点として選択される方が多い、まさに王道です。
小規模の個人店で求人がある場合はあまり目にしませんが、「リカーマウンテン」や「信濃屋」では新卒や中途採用だけでなく、パート・アルバイトの求人として応募することができます。
安定的に、そして着実に、知識や業界の慣習について基本を学ぶための選択肢として圧倒的な正統派であり、知人にもこちらのルートから信頼と実績を貯めていった人が多かった印象です。
安定的な収入を得ながら、肌で消費者の声を聞くことができるのはやはり大きなメリット。
ただ、基本的な事務や品出しなど、「好き」だからといって「好きなだけ」ではできない仕事・作業の責任を伴うため、より本格的なキャリアを考える人にこそおすすめしたい業種かもしれません。
「〇〇の△△店で働いているんです」または「働いていました」ということで、実際に話が早くなったり、信用に拍車がかかってその後のキャリアアップに活かしている方を多く見てきました。
もっとも、消費者との距離が近いからこそ、学びが多い選択肢と言えます。
バーでバーテンダーとして働く
「酒屋で働く」の次に考えられるのが「バーテンダーとして働く」こと。
こちらは酒屋で働くことと同じように、実際に一般消費者のどういった方が、実際にどういったものを好むのか?という嗜好性を、もっとも近い場所から知ることができる、ある種究極的な職種です。
また、在り方・人生のスタイルとして、バーテンダーの価値観や所作そのものを身につけることは、人間的魅力・品格を向上させることにも繋がります。
「憧れ」としてあげられることも多い職業であり、または、「付き合ってはいけない3B」としてあげられることも以前はありましたが、実態としてはやはり、バーテンダー経験者には魅力的な方が多い印象です。
豊富な知識はもちろんのこと、会話や技術のアウトプットを通じて自身を高められるという点がメリットとしてあげられ、業界・ジャンルとして、まさに王道の選択肢でありオススメです。
ただ知っている限り、実際に求人を表に訴求させているバーはそこまで多くなく、常連として通っているうちに働く流れになった、というケースが最もスムーズでありがちなパターンに感じます。
お酒業界全体に通じて言えることですが、「好き」であるという人間的な指標と信用・信頼が、最も重要視されている傾向は明確。
逆に言えば、熱量さえ誠実にしっかりと伝われば、柔軟に対処が変わるということも抑えておきたいポイントです。
これまでの閉鎖的なバーの印象とは違い、YouTubeなどで積極的に発信するバーテンダーの方も増えてきました。
興味を持った方へのアプローチとして連絡を取ってみる、そして何より、実際にお店に行ってみる、ということを通じて、そこからチャンスに変えている人も多く見られる印象です。
蒸溜所・酒蔵で働く
上記2つよりもハードルは上がり、巡り合う機会は多くない印象なのが「蒸溜所や酒蔵で働く」ということ。
一般的な募集をしていることもありますが、いわゆる求人サイトにて採用をしているケースはあまりなく、紹介やつながりによって酒屋勤務やバーテンダーのキャリアを通じてたどり着くケース、または社内の部署変更からの偶然により職種につくというケースが多い印象です。
ただ熱量によって、何度も断られながらも働くことが実現された、という話も聞くことがあります。
特にウイスキーというジャンルにおいては愛飲家のロマンから、「いつかウイスキー製造に携わってみたい!」という夢と野望は多く口にされることが多いため、狭き門と言えるかもしれません。
概ね年齢制限を設けていることもあり、20代こそ本格的に業界に飛び込みたいと思ったら、なにかしらの方法から行動を起こしてチャレンジしてみるのもありです。
実際にすべてのお酒は製造現場から生まれていますから、やはり製造現場にて多大な経験を積んだ人の言葉には重みが感じられます。
業界・ジャンルとして、まさに花形といえる職種で、王道かつ本質的な職種と言えます。
ことウイスキーにおいては様々な新興蒸溜所が建設されているため、これまで以上にチャンスは多いかもしれません。
ただやはり本格的かつ本質的な業種のため、その他職種との兼業はあまり現実的ではなく、フルコミットすることが前提になることが予想されます。
「いつか自分でお酒を造ってみたい!」と考える方には、これ以上ない経験値が得られる働き方です。
輸入業者・インポーターとして働く
少しイメージが湧きづらいかもしれませんが、「輸入業者で働く」という選択肢があります。
こちらも蒸溜所で働くことと同様に、酒屋やバー経験からキャリアアップの先に選択されている方が多い印象です。
お酒に対する圧倒的な知識はもちろんのこと、ジャンルを問わない普遍的なビジネススキルが求められる職種と言えます。
すでに先述した「リカーマウンテン」や「信濃屋」のような大手酒類販売を手掛ける会社の中から、実際にスコットランドやアメリカの製造現場に赴いて商談を交わすということもあるそうですが、それでもやはり圧倒的な経験値が求められる働き方と言えます。
海外でも、蒸溜所から樽を買い取り独自のブランドとしてリリースする業者も存在するため、世界的な市場で活躍する働き方と言えます。
ただ実際の求人は蒸溜所などと同様に、オープンになっているものはそう多くない印象です。
縁があったり、着実なキャリアを積んだ先に得られる選択肢・機会であるため、「まずはじめに」といった類ではない職種ではないかもしれません。
とはいえ業界全体へのインパクト・貢献度が高い働き方であるため、注目度の高い業種であることは確かです。
愛好家団体・出版団体で働く
ウイスキー検定を実施している「ウイスキー文化研究所」や、精力的にセミナーを実施している「酒育の会」など、バリエーション豊かな団体が存在しています。
特にウイスキー文化研究所は、ウイスキーフェスティバルを開催したり、書籍を発行するなどして更にウイスキー好きが増えることに多大な功績を残してきました。
実際にまず「ウイスキー好き」として、その素質を最も生かせる職種・働き方がこの愛好家団体で活動していくことかもしれません。
実際にホームページで、どのようなスキルが求められ、どのような条件で働くことができるのかが確認できますので、そちらに応募してみるのもありです。
もし実際に応募するのであれば、時期によって採用率や求められる人材は変わってくるかと思います。
自分自身がどんなことで貢献できるのか、事前にイメージしながら応募・履歴書を書いてみることをおすすめします。
またウイスキー文化研究所では「ウイスキー検定」や「ウイスキーコニサー」などの資格を取ることができます。
必ずしも要するというわけではないですが、基本的な専門知識を得るにはとても有効な手段と言えます。
個人事業主としてバーを開業する
現代の情勢・アフターコロナの時代にてハードルが上がっているとはいえ、や針魅力的なのが個人事業主としてバーを開業することです。
お酒好きであれば「自分ならどんな名前にしようか?」「どんな雰囲気のお店にしようか?」「どんなお客様に来て欲しいか?」など、一度は想像を膨らませたことがあるのではないでしょうか?
ただ、実際のところ「お酒が好きだから」「ウイスキー好きだから」といった理由から、挑戦するには思ったことと違うことが多いというのも事実。
商品の価格を自らつけるところや、具体的な集客戦略など、純粋にお酒を自分自身が楽しめるような状況ではなくなってしまう方も多い印象です。
実際に既に経営されている方から話を聞いたり、酒屋やバーテンダーから業界のキャリアを積んでからの挑戦が一般的ではあります。
または、すでに他の飲食業で経験をつまれた方などにオススメができます。
バーやカフェなど、多くの実店舗を消費者として経験しているからこそ憧れの気持ちが大きくなりますが、具体的な計画や算段が立っていないと、実は最も難易度が高かったりします。
とはいえSNSを利用したファン作りや、周辺店舗・町や区との協力体制によって、持続的に経営することもまだまだ可能です。
いちど、自分自身に本当にやりたいかどうかを問いかけて、具体的なイメージをして、それでもやりたいと感じるならぜひ挑戦していただきたい、とてもやりがいのある働き方といえます。
ウェブライターに応募する
近年では、多種多様な働き方がありますが、リモートワーク・在宅ワークの代表的な例として、ライティングや動画編集などで、ウイスキーやお酒に関する情報発信に携わるということも選択肢としてあります。
先に示してきたキャリアに比べ、具体的な信用値を貯めることが難しい側面がありますが、これからの時代のトレンドとして考えられるのは、あらゆるIT分野における人材が重宝されていくと言うこと。
実際に様々なお酒でブランドを作り、ホームページを作成できるスキルや、ウェブデザインを求める会社が少しずつ見られるようになってきました。
ことウイスキーにおいても、ジャンルに特化したサイトが数々見られるようになってきており、この傾向はますます強まっていくと考えられます。
業界からの明確な評価を得るには時間がかかることも考えられますが、最もリスクなく気軽に「好き」を仕事にし始めることができる点ではかなりのメリットです。
具体的な求人などが表に出てくる事はあまりないですが、実際に問い合わせてみると意外にも働くことができる、ということも多い印象があります。
どのような職種でも同じことが言えますが、誠実な「好き」が伝われば、そこからチャンスを得る事は十分に可能であると感じています。
とはいえまだまだ具体的な収益を上げ、本業として確立させるには、様々なジャンルとの掛け持ちするのが現実的といった印象です。
ブログやSNSで発信する
こちらは私が実際に行っている方法です。
ブログやSNSにて集客をし、そこから広告料や紹介料を得る、または独自のサービスを提供することによって収益を得る方法です。
具体的な方法としては、アマゾンや楽天などで販売されているお酒、またはその周辺のサービスをを記事や動画で紹介することで収益を得ます。
ただ、現状としては本業として完全にフルコミットして、成果が出るには最低でも半年から1年はかかるため、時間をかけてコツコツとコンテンツを貯めていくことが求められます。
多くの愛飲家が自分自身の感想や、独自の視点から思ったことを書いたり、発信することで、わずかながらでも収入を得ることができる点、気軽にスタートすることができる点ではメリットが大きいと言えます。
既に普段からお酒を飲まれている方が、思いのままに、感想を書かれている事は、同様に同じ視点の消費者の参考にもなるため、人気を博している人も近年では増えています。
日本のみならず、海外にも同様の活動を通じて活動している方も増えているため、まさに新しい働き方と言えます。
ただし、まだまだ業界を通じて一般的とは言える段階ではないため、具体的な収益を得るのには少しハードルが高く感じられるかもしれません。
SNS運用やSEOの知識などが求められますが、ご自身の「好き」を最大限に自由な形で活かせる方法と言えるでしょう。
テイスティングセミナーを開催する
5〜20人程度の小規模なテイスティングセミナーを開催する方も、近年では多く見られるようになってきました。
もともとは愛飲家同士にて「持ち寄り会」として、集まる事はよく見られていたのですが、実際にこれまでに飲んできた経験を活かして、お酒の素晴らしさを伝えることを生業としている方もいます。
まずは、自分の身近な方から招待して、ご自身が持っている銘柄を振る舞ってみることで、気軽に活動をスタートさせることができる点で初期ハードルが低く、かつ、オフラインの良さを存分に味わうことができるという点で魅力的です。
いずれバーや酒屋を開業するために、そのファーストステップとして取り組む方もいる印象です。
レンタルスペースを借りたり、関係値のあるオーセンティックバーやイベントバーにて開催させてもらうなど、方法は様々です。
今回の記事の主旨として「好き」を仕事にという意味で、最も本質的で、現代にあった方法と言えるかもしれません。
コミュニティを運営、または参加する
こちらは少し難易度が上がりますが、独自のコミュニティーを作って、価値観を共有すると言う方法があります。
実際に最近では「関西ウイスキーラバーズ」という公式ラインを拠点とする愛好家コミュニティや、それ以外にも閉鎖的にテーマを持って集まる方々もちらほらと見られるようになってきました。
自分自身で発足・運営するには、ハードルが高いかもしれませんが、そのようなコミュニティに参加し、その中で役割・ポジションを持つ方法も考えられます。
中には、会費や参加費がかかる場合もありますが、そのコミュニティーの中での信用値が貯まることによって、これからのキャリアを生み出せる可能性も無限大です。
仕事にすることだけではなく、同じように、お酒が好きな人、ウイスキーが好きな人とのつながりを積極的に得られると言う点でとてもオススメです。
独自のクリエイティブから新たなポジションを創り出す
少し特殊な例ですが、新たに創造性を発揮して、自らポジションを作り出すと言う方法があります。
最近では、ウイスキーのボトルや外箱を使った創作物、漫画や絵を書いたり、写真を撮ったり、トートバックやコースター、さらにテイスティンググラスなど、様々なグッズを作り出して仕事にしている方も見られるようになりました。
お酒は基本的に「飲み物」で飲んでしまったらそこで終わりですが、そこから新たな制作物を作り、さらなる需要を生み出すことができる余白が、まだまだあるというのも魅力の1つです。
独自の専門スキルを使って、まだ他の誰も取り組んでいないようなことが見つけられれば、その新たなジャンルにおいてパイオニアになることができます。
具体的な何をすれば良いと言う話では無いのですが、個人的にはまだ見ぬウイスキーやお酒の楽しみ方が発掘されるような創造性が生まれれば、より業界としても市場が大きくなり、興味を持つ方が多くなるため、とても重要であると考えています。
その他ジャンルにおいて、専門的な知識や技術、または経緯のある方は、”掛け合わせ”によって新たな創造が何かできるのではないか?と一度じっくりと考えてみるのはいかがでしょう。
業界・ジャンルとしての未来は明るいのか?
近年出版される書籍の中では「お酒は1滴でも飲むと健康リスクがある」といった主旨のものが多く見られるようになってきました。
以前は「適正な飲酒量では健康になる」というものが通説になっていましたが、それ自体も覆りつつある、ということが現代における常識となりつつあります。
ただ、私達のような根っからの「愛飲家」はそのデメリットを大きく上回るメリットと充実感を得ることを、体感的に理解しているからこそお酒を飲んでいます。
我々「愛飲家」でも節度ある飲酒量を心がけることは当たり前で、それ以上に、お酒を飲むからこそ、日々健康的な日常を送っている方が多く見られます。
「お酒を飲むこと」だけでなく、それを取り巻く環境や文化・人間関係の潤滑剤として愛されてきたからこそ、何千年もの歴史を紡いできた「お酒」なので、そういった意味であまり心配はありません。
それでもやはり飲み過ぎは注意ですが!
これからより求められると考えられるスキルはなにか?
今後、ますます業界として求められると予想されるスキルについて、以下にまとめてみました。
- ITスキル(プログラミングや最新テクノロジー)
- 外国語(英語・中国語)
- 幅広い知識(お酒・背景にある歴史などの周辺知識)
- 創造的な価値を生む抽象的思考力
- 何よりも「お酒・ウイスキーが好き!」という情熱
ITスキル(プログラミング・ライティング・動画編集・最新テクノロジー)
今後ますます必要とされるであろうことが予測されるのが「ITリテラシー」です。
近年では主に海外で、たった1人で運営管理を行うような蒸溜所があったり、完全無人の実店舗などが見られるようになってきました。
そんな中、実際に消費者との接点となるサービス業はAI化・IoT化が進んでいく現代で、ますます少なくなっていくことが予想されます。
またプログラミングが小学校にて必修化したことは記憶に新しいですね。
とはいえ、お酒やウイスキーにおける「人」という要素はとても重要であるため、その影響はその他業種と比べ、やや進行が遅い傾向があります。
それでもITスキルは、例えば販促におけるマーケティングとして機能したり、市場調査における情報収集力、より効率的な製造工程の仕組み作りなどで、アドバンテージを得ることができます。
個人における情報発信においてでも、例えばChatGPTを始めとするAIを利用した、記事や動画の作成などに活かせるという点で、規模の小さなところから、既に変化は起き始めています。
これからますますテクノロジーが進歩し、より効率的に、あらゆる作業が短縮される中で、やはり求められる人材は、それらを扱えるようなスキルを持っている人が重宝されることが予測されます。
基本的なHTMLやCSSなどのコーティングから、多岐に渡るプログラミング言語を始めとするITリテラシーを習得することが大切です。
外国語(英語・中国語)
Google翻訳やAIを始めとする最新技術によって、言語の壁はなくなりつつあるとはいえ、私たち日本人にとってはハードルを高く、感じてしまいがちなものが英語を始めとする外国語。
実際に海外の蒸溜所に行ってみて感じた事ですが、たとえGoogle翻訳で自分の気持ちを伝えられたとしても、相手の言っていることが多少なりとも分かったとしても、実際にコミニケーションを取れない限りは、なかなか思うように聞きたいことが聞けません。
また、ウイスキーは揚州ですから、日本の情報よりも海外の情報の方がかなり早くリリースされており、たとえGoogle翻訳でページを日本語にしたとしても、その細かなニュアンスを掴むことができません。
また上のITリテラシーにもつながってきますが、例えばChatGPTをはじめとするAIの指示も、英語圏の方がより多くのデータからブラッシュアップされた返信を返してくれます。
日本市場において、お酒のブームは、様々な種類で波打つように入れ替わるため、例えば大手のサントリーは、海外にどれだけ輸出できるかと言う点についてとても注力しており、その他の酒造メーカーもそれに続いています。
まず、優先順位としての英語、それに今後ますます大きな市場となり得る中国語など、幅広い言語を扱える人材価値が、高まっていくと考えられます。
幅広い知識(お酒・背景にある歴史・周辺知識)
お酒において、局所的な知識はブームが来ている渦中では力を発揮しますが、そのブームが去った後では、その市場的価値は半減してしまいます。
現在の日本においては、ウイスキーブームの頂点が過ぎ、それぞれのメーカーで原酒不足や仕込みが間に合っていないという状況が起きています。
その間に、市場がウイスキーへの興味を失わずにいられるのか?
はたまた、違った種類のお酒に興味を持つのか?を事前に、明確に流れを掴むことは難しいと言えるでしょう。
近年のウイスキー製造には、様々な種類のお酒で使った樽を再利用することで、味わいのバリエーションを作っていることもあり、代表的なところではワイン、テキーラ、日本酒など、または、ウイスキーの販売ができるまでの間、ジンを製造することで経営を成り立たせている蒸溜所も見られます。
多種多様なお酒に関する知識があることによって、一般消費者のあらゆるニーズを掴み、対応できる人材が活躍・重宝されることが予想されます。
また、お酒作りにおけるその歴史的な背景や、ストーリーについて詳しく語れると言うことも、大きなアドバンテージになると言えるでしょう。
創造的価値を生む「抽象的思考力」
これまでは製造→販売→消費という、比較的シンプルな流れによって成立してきたこの業界も、あらゆる銘柄や職種にて、競合で溢れているのが現状。
そんな中、新たな革新的なアイデア・柔軟な発想ができるか?というのがとても重要になってきます。
代表的な例でいうと最近のサントリーから、「フロアモルティング」という時代と逆行する製造工程を取り入れたり、ハイボールを「日本のソウルドリンク」として押し出していく、ということが発表されました。
このように、元来の常識からは逸脱するような、論理的でこれまでの延長線上から外れる発想が、よりいっそう求められていきます。
これまで誰も考えて来なかった種類の仕事や製造方法、マーケティング手法が生み出されたり、全く新しいお酒のジャンルが開拓されることも考えられます。
歴史にならいながらも古い慣習にとらわれずに新しい発想を、抽象的で大局的な視点から得られるような人材が、これからの業界にて活躍することが予想されます。
そして、お酒における最大のポイントである「アナログ性」、つまり感覚や感情を伴うことから、その感受性がより重要なポイントになってきます。
テクノロジーが代替不可能な抽象的で非言語的な情報から何かを感じ取り、新たに創造することは、私たちが生きている間にはまだまだ十分に、人間が取り組む領域と言えるでしょう。
また、抽象的思考から認識できる「タイミング」にも大きな価値があります。
目新しいものでなかったとしても、適切なタイミングで適切な施策を投入できる力が、これからはより重要になってきます。
何よりも「お酒・ウイスキーが好きだ!」という情熱
こちらはどんな時代においてでも言えることかと思いますが、何より、お酒が好き、ウイスキーが好きという熱量が、成果に対して大きな差を生むのは言うまでもありません。
先ほどにも書いた通り、今後の世界的なトレンドがますます健康志向へと偏っていき、お酒を全く飲まない世代を多く生み出す国々が現れてもおかしくないでしょう。
そんな情勢の中でも、自分自身の「好き」を追求し、健康リスク以上の価値を見いだせる力が問われていくでしょう。
とはいえ、これまでの歴史を振り返ってみたとき、我々人類とお酒との付き合いは、何千年もの間続いてきたことを考えると、そこに、何かしらの意味合いがあるに違いありません。
「お酒は人と人との潤滑剤」とも言われるほど、私たちのコミニケーションをより円滑なものにしてきてくれました。
そんなお酒に対しての想いはきっと、ただただ酔っ払ってしまうことだけではないはずです。
そのため、今後どのような外的要因にさらされようとも、「それでも私はお酒が好き!」「ウイスキーが好き」という熱量・情熱が、より一層と求められることが予想されます。
まとめ
「好き」を仕事にするというテーマに絞り、具体的なアクションプランをいくつか提示してきました。
数年前では、数えるほどしかなかった働き方・稼ぎ方・活動の仕方は、現在ではいろんな方法で、またはいくつか掛け合わせることで、独自の価値観に沿って実現できるような世界になりました。
お酒やウイスキーのジャンルは全体の変化が、やや遅い傾向にあると個人的には感じています。
だからこそ、先見性を持った人材がこれからの業界の一端を担っていくことが予想されます。
ますます最新技術が発達し、グローバル化が進む現代において、「お酒を楽しむ」という変わらない「アナログ性」に対し、「デジタル性」の可能性をかけ合わせていけることが魅力であると感じます。
何より「好き」こそが強みを発揮する時代において、あなたの純粋な愛着や情熱を、お酒、またはウイスキーを初めとする具体的なジャンルにおいて、ぜひ自由に発揮してみて欲しいと思います。
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