2022年9月1日より国内でイスラエル初の蒸溜所「M&H」からウイスキーが発売されました。
ラインナップはシングルモルトウイスキーとオーク樽熟成のジン。
2012年に設立され2014年に蒸留開始。
数々の新規蒸溜所コンサルで成功に導いた故ジム・スワン博士をアドバイザーに迎え、イスラエルのテルアビブ市という場所に設立されました。
「M&H」は「Milk & Honey」を意味しており、旧約聖書に書かれた「乳と蜜の流れる肥沃な大地(約束の地)」を意味する、イスラエルそのものを象徴する言葉です。
M&Hの特徴を以下にまとめました▼
- イスラエル初のウイスキー蒸溜所!
- 2012年に設立され、2022年9月から日本国内で発売
- 蒸溜所があるのは年間300日以上が晴天という地中海性気候の暑い海沿い
- 急速な熟成のなかで最高品質を目指している
- イスラエル産赤ワインでの熟成や死海での熟成などかなりチャレンジング!
- 現在ラインナップの価格帯は5,000円〜7,000円ほど
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今後も期待したい蒸溜所
イスラエル初のウイスキー蒸留所、「THE M&H」から2種のモルトウイスキーです。
— BARききゅう (@BAR58559109) September 11, 2022
クラシックはバーボン樽とSTR樽で熟成。エレメンツはオロロソとPXのシェリー樽で熟成。共にノンチルフィルター、ノンカラーで46%。今後も期待したい蒸留所ですね❗️#イスラエルウイスキー #シングルモルト #イスラエル初 pic.twitter.com/YYs5GpjAcS
非常に完成度が高い
#今日の一杯
— ペラペラ (@kutzyup_be44) September 17, 2022
M&H蒸留所Elements
四日市Bar Alchemistaより
イスラエル初製造のウイスキー
ほのかにスモーキーな洋梨、ほどよい酸味、アーモンド、わずかに青臭さもある
初にしては非常に完成度が高い#ウイスキー#TWLC #お酒好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/JAQ1bshPmB
落ち着いたバランスでいいお味
M&Hというウイスキー。
— okeji (@okeji13) September 9, 2022
なんとイスラエル製。
ノンチル・ノンカラーで、気になるお味ですが、好印象。
新興にありがちなピーキーさや棘はなく、落ち着いたバランスの良いお味です。 pic.twitter.com/TbtvEOsART
M&H蒸溜所とは?
蒸溜所の場所は?イスラエル テルアビブ
蒸溜所があるのはイスラエル人口第2位の都市テルアビブ。
経済・文化の中心地かつ、中東有数の世界都市で、第二のシリコンバレーとも呼ばれています。
イスラエル政府はエルサレムが首都であると宣言していますが、国際社会はこれを認めておらず、各国がテルアビブに大使館を置くなどしており、事実上の首都とみなされています。
イスラエルの治安は?テルアビブは基本安全。
イスラエルと聞くとパレスチナ問題で世界中から注目を浴び、「治安が悪い」「危ない」といったイメージがありますよね。
情勢的に不安定な地域に関してはそもそも立ち居入りを厳しく制限しているため、旅行をしていて身の危険を感じることはほとんどないといいます。
ただ、テルアビブから地図の左下にいくと「ガザ」という場所があります。
パレスチナ系テロリストがイスラエルに向かってロケット弾などを撃ったりするのですが、このガザ周辺はたびたび被害にあっています。
ガザから70kmとほど北、M&H蒸溜所のあるテルアビブでは防衛システム(アイアンドーム)が発達していることもあり、隣の国の出来事といっていいほどテルアビブには被害がありません。
実際に行った日本人観光客がよく抱くテルアビブの感想といえば「都会」「安全」「きれい」といったポジティブなものばかりであり、イメージとはかけ離れていました。
しかし2021年5月にあったガザのハマスによるロケット弾発射を皮切りに起こった10日にわたる大規模な紛争が記憶に新しいですね。
最近の情勢を調べてみるとアイアンドームが機能していることもあるのか、現在でもテルアビブ、見た限りの治安は安定している様子でした。
数日前に用事があって出かけたテルアビブで、海に寄りました。久しぶりの地中海。もう9月も終わりなので、少し風が強くなっていました。逆にその風が心地良くも感じます。もちろん日差しがあれば暑いくらいだし、まだビーチライフ楽しめます🏖(私は眺める専門)秋の足音をこの場所で感じるのも3度目。 pic.twitter.com/Tc8gpUk3sS
— 新田 朝子/ Asako Nitta (@asako_nitta) September 30, 2022
そんなイスラエルからウイスキーがリリースされたということで、世界について改めて知るきっかけを、ウイスキーがくれているのかも知れないなぁと感じます。
M&H蒸溜所について
2012年に設立され、2014年に蒸留を開始した「M&H蒸溜所」。
「M&H」は「Milk & Honey」を意味しており、旧約聖書に書かれた「乳と蜜の流れる肥沃な大地(約束の地)」を意味する、イスラエルそのものを象徴する言葉です。
製造方法や蒸溜所の特徴は?年間300日が晴れ!温暖な地中海性気候
スコッチウイスキーの製法にならっており2回蒸留。
ポットスチルを見てみるとボテッとしたカタチでラインアームが下向きであることからボディの厚いリッチな酒質を目指していることが想像できます。
年間300日以上が晴天で地中海性の気候がもたらす暑さが急速な熟成を可能にします。
以前ではスコットランドや北海道のような寒冷の地のほうが揮発量がすくなく、長期間の熟成が可能であることから向いているという慣例がありました。
近年では台湾やインド、オーストラリア、日本でも九州などで蒸溜所が設立されており、温暖な気候を活かすことも多い状況になってきました。
多様な熟成樽のバリエーション。STR樽、ラム樽、ビール樽、アイラ樽
M&H蒸溜所の製品は樽のバリエーションが多いことが特徴です。
STR樽と呼ばれる赤ワイン樽はM&H製品では代表的な樽。
シェービング(Shaving)、トースティング(Toasting)、リチャーリング(Re-Charring)の3工程の頭文字を取った特別な樽で、ポルトガルから入手することが多いといいます。
またイスラエル産の赤ワイン樽やラム樽、ビール樽にアイラモルトを熟成させた樽など、バリエーションを豊富にした製造など、チャレンジ精神旺盛な蒸溜所です。
M&Hのラインナップ
現在国内でリリースされているのは4種類のシングルモルトと樽熟成ジン。
公式サイト(英語圏)を見てみるとそのほかのリリースも見られるので、日本市場での反応によっては国内販売するラインナップが徐々に追加されていきそうです。
M&H クラシック 46%
バーボン樽およびSTR樽で熟成された原酒をバッティングしたもの。
ライトでバランスの取れたM&Hシングルモルトウイスキーのエントリー商品です。
香りは穏やかなバニラの甘さの後に、軽い樽香、フローラルさ。
味は軽やかなボディ、バニラ、キャラメル、ハチミツの甘さ、黒胡椒のスパイシーさがバランスを取っています。
M&H エレメンツ シェリーカスク 46%
オロロソシェリー樽およびペドロ・ヒメネスシェリー樽で熟成された原酒をバッティング。
Elementsシリーズは樽の個性を追求するM&Hシングルモルトウイスキーのコアレンジの商品です。
香りはリッチな赤い果実、穏やかな樽香、キャラメル、レモンのフレッシュさがカバーされています。
味わいはミディアムボディ。軽いフルーティーなシェリーの甘さ、濃厚なフルーツとダークチョコレート、その後に穏やかなオークが続きます。
M&H エレメンツ ピーテッド 46%
アイラ島の蒸溜所で使用されたピートの効いた樽およびバーボン樽で熟成された原酒をバッティング。
香りはとてもフレッシュ。独特のスモーキーで素朴な香りが、バニラとオークのノートの独特なバランスへと広がり、最後にレモンのヒントが残ります。
味わいはミディアムボディ。バニラの甘さの後に繊細なピートのタッチが続き、ジンジャーとレモンの風味に軽いスパイシーさが加わります。
M&H エレメンツ レッドワインカスク 46%
テロワールにこだわったイスラエル国内のワイナリーで使用された赤ワイン樽で熟成された原酒を使用。
香りは赤いドライフルーツ、ジンジャー、オーク、繊細なココナッツが、穏やかなミネラルの香りをもたらします。
味わいはライトボディ。ワインのフレーバーが口を覆い、ほのかなオークとバニラのノートが続き、穏やかな花の香りが続きます。
M&H レバンティンオーク樽熟成ジン 46%
100%大麦麦芽を原料としたオリジナルのドライジンをSTR樽で数か月間熟成。
ストレートでも楽しめるまろやかなジンに仕上げたものです。
香りはジュニパーベリー、レモンの香りに、繊細なオークとバニラがバックグラウンドで加わります。
味わいはミディアムボディ、ややオイリー。非常に微妙なオークのフレーバー、バニラ、シトラスがスパイス、レモン、ジュニパーと組み合わされています。
M&H シングルカスク カスクストレングス 1stフィルバーボンカスク フルマチュアード 66.6%(日本市場限定)
こちらは日本市場限定のカスクストレングス品で、熟成期間は3年半ほど。
樽入れ時にはアルコール度数63.5%だったものが、熟成庫の中でもっとも気温の変化が大きい場所で熟成したところ、66.6%へとハイプルーフに仕上がったそうです。
香りはバニラ、ダークチョコレート、ドライスモモ、バナナのヒント、味わいはハーブを香りをまとったメープルシロップ、モカコーヒーのようなニュアンス。
ボトリング数は189本と少ないため、今後M&Hの発展によってはますます希少な一本になっていくことが予想できます。
スタンダード品以上に蒸溜所の立地などの製造環境をイメージしやすいため、愛飲家としては積極的に飲んでおきたい銘柄です。
M&H シングルカスク カスクストレングス STR樽 フルマチュアード 68.0%(日本市場限定)
上記のバーボンカスクと同じくこちらも日本市場限定・数量限定品のカスクストレングス。
アルコール度数はなんと驚異の68%とウイスキー愛飲家大歓喜のステータスとなっており、 熟成期間は3年と3ヶ月ほどです。
しかも、STR樽というM&Hを象徴するワイン樽を使っての熟成ということですからかなり注目度が高い銘柄と言えます。
ノンチルフィルター・ノンカラードということでこれだけしっかりと色濃く仕上がっているのは、やはり地中海気候のダイナミックな気温変化からくる熟成の速さから。
M&Hのウイスキー造りの核心部分に触れることができるという意味で大変貴重な一本です。
ボトリング本数は232本で数量限定。
まとめ
イスラエルウイスキーと聞くとどんなものなんだろう?と思いますし、想像もつかないですよね。
ただかなり評判がよく、ラインナップも多いためこれから日本で見ることも多くなっていきそうです。
最近はこれまで知られていた国のウイスキーでなくても、クオリティの高い製品が続々とでてきています。
これから購入する際の選択肢にいれてみるのもありですね。
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