最近では並行輸入品や特別リリースの品揃えがよい酒屋さんが増えてきています。
そのこともあって、目にすることが増えてきた「カリラ ディスティラーズ エディション」。
黒いラベルに金の文字と高級感を漂わせていますが、
12年よりは少し高く、18年よりはかなりお手頃といった位置づけ。
熟成年数は表記されていませんが、蒸留年と瓶詰め年が書かれていて11〜12年熟成モノです。
通常12年モノと違う点は「モスカテルカスクフィニッシュ」ということ。
カリラの力強さに甘口のモスカテルの味わいが見事に調和していて。。。
うまぁぁぁぁ….
ゆったりと 時間をかけて楽しむのにぴったりな銘柄です!
カリラディスティラーズエディションの特徴を以下にまとめました▼
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ウイスキー藤村のテイスティングノート
◯試飲日:2022年9月14日
◯試飲量:15ml
◯飲み方:ストレート、トワイスアップ
◯グラス:KYKEY – AROMA GLASS BASIC
👀色:ややオレンジがかった黄金
👃香り:こゆるく濃厚、熟したオレンジ、おでんのような出汁感、燻製ベーコンのようなコク旨、ラベンダーを感じる華やかさ、バターのコク、粗挽きブラックペッパーのスパイシーさ、強いスモーキーさ
💪ボディ:ミディアム
👅味:情熱的に熱くスパイシー、トロッとした舌触りで甘美、円熟したオレンジ、深く煎られたコーヒー豆のコク、独特でフローラル、リッチでゆったりと広がる、澄み切ったように洗練されている
🎵余韻:完熟した果実のような甘さが薫香と馴染みながら長く続く
モスカテルの甘さが見事にスモーキーさと合わさっています。
舌に触れた瞬間から甘さを感じ取ることができとってもおいしい…
砂糖とは違う果実由来の甘さ…癒やされますね…
カリラ12年との違いは?
カリラ12年からも甘さを感じることができますが、ディスティラーズエディションはより平面に広がっていくイメージで、12年は縦に力強いイメージ。
共にスモーキーさが魅力的でありながら、味わいが伸びていく方向が違って面白いです。
どちらもカリラ特有のキャラクターを最大限に生かされている印象で、高いブレンド技術を感じることができますね!
癒やされたいとき、ゆったりしたいシーンで最後の一杯としてディスティラーズエディションを飲みたいと感じました。
オススメの飲み方は?ハイボールよりかロックがオススメ
カリラ12年はストレートとハイボールがかなりおいしく感じられるのですが、このディスティラーズエディションはハイボールよりもロックのほうが合うと感じます。
どっしりとして度数の強いタイプ、「グレンファークラス105」や「アベラワーアブーナ」のようなタイプは力負けしない印象があります。
一方今回のディスティラーズエディションは43%であり、ハイボールにすると若干苦味がでるように感じます。
じっくりと時間をかけていただくストレート、またはロック、少しづつ加水して変化をたのしむことに向いていると感じた銘柄でした。
とはいえ、実際に飲んでみておいしいと感じたらそれが個人個人の正解です。
あまり気にせずお好きに楽しく飲むことが一番たいせつです!
実際に飲む機会がありましたら、ぜひ感想を聞かせてくださいね。
どんな人におすすめ?スモーキーが苦手な人にもチャレンジしてほしい
カリラ12年とディスティラーズエディションを飲み比べてみるとわかるのですが、じつはあまりスモーキーさのパンチ力は変わりません。
ですがモスカテルの魔法にかけられているからか、タッチがまろやかになっており、意外にもスモーキーさ、クセっぽさは気にならなかったりします。
カリラ12年とのセットでコンボを決めていくうちに、もしやもしやで苦手な方でもアイラモルトの虜になっていくかもしれませんよ!!!
スモーキーな銘柄がお好きな方にはもちろん、苦手な方にも一度試してみてもらいたい銘柄です。
付き合うほどに、沼です。
【カリラ ディスティラーズエディション】の商品詳細と特徴。シリーズについて🗒
商品紹介と公式テイスティングコメント
【商品紹介】
カリラ ディスティラーズ エディションは、モスカテル(シェリーの一種)を貯蔵した樽でカスクフィニッシュされています。
カリラの身上であるフレッシュで磨き上げたようなクリーンさとスモーキーなフレーバーとのバランスを考え、モスカテル樽は、より情熱的で豊かに、フルーティで複雑な甘みをウイスキーに与えています。
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【公式テイスティングコメント】
👀色:透明なゴールド
👃香り:素晴らしく凝縮された、ピュアでクリーンなカリラ。ピーティさ、薬品のような香りに豊かなフルーツ、スパイシーな香り高さが伴う。
💪ボディ:ミディアムボディ
👅味わい:甘みと大麦麦芽の味わいが最初に突き抜け、すぐに圧倒的にピーティなスモーキーさ、情熱的、クリーンでキリっとしたフレーバーに変わっていく。カリラの身上であるスモーキーな焚き火の味わいが、更に大きな味わいになっている。全体としてはシナモンのスパイシーさを伴い、美しいほどのバランスが口内を乾かすような、複雑かつエレガントなフレーバーに変化する。
♫フィニッシュ:長く、まろやかで男性的。様々な味わいが何層にも重なっていく。
https://malts.jpより
商品詳細・スペック
【カリラ ディスティラーズエディション】
◯原産国:🏴スコットランド
◯地域区分:アイラ島
◯所有者:ディアジオ社
◯タイプ:シングルモルトウイスキー
◯原材料:モルト
◯アルコール分:43%
◯販売価格:税込7,000円台〜9,000円台
ディアジオ社がリリースするディスティラーズエディションとは?
ディアジオ社から年に一度特別にリリースされているディスティラーズエディション。
ボトリング前の3ヶ月から半年ほど、元の樽とはちがうシェリーやワインの熟成に使われた樽で後熟されるシリーズですが、今回のカリラ以外にも、
(リンクはレビュー記事に飛びます)
- タリスカー ディスティラーズエディション
- ラガブーリン ディスティラーズエディション
- ダルウィニー ディスティラーズエディション
- クラガンモア ディスティラーズエディション
- グレンキンチー ディスティラーズエディション
- オーバン ディスティラーズエディション
がラインナップにあります。
正規品として買うこともできますが、ネット上には並行輸入品も出品されており、最近では店頭でも見る機会があります。
カスクフィニッシュに使う樽はウイスキーの個性を際立たせることのみを目的に厳選。
シェリーやポートワインの製造に使われた樽を使用しています。
今回レビューご紹介するカリラはシェリーであるモスカテルを使った「モスカテルカスクフィニッシュ」です。
「モスカテル」とは何か?白ぶどう、甘口のシェリー
「モスカテル」はマスカット系ブドウのことで、「マスカット・オブ・アレクサンドリア」「モスカテル・デ・セトゥーバル」とも呼ばれています。
また、モスカテルを使って作ったシェリーを指していたりもします。
シェリーとは 白ワインの一種であり、「シェリー酒」というビールやウイスキーのような酒カテゴリーではありません。
シェリーはスペイン・アンダルシア地方のヘレス周辺で作られる、酒精強化ワインです!
つまりボルドーやブルゴーニュと同じく、決められた産地から名前がついているんですね。
なので、違う産地で全く同じものを造っても「シェリー」と言う名前は使えないことになっています。
辛口のフィノから極甘口のペドロ・ヒメネスまで、味も色味も全く違うため、かなり一括りにはできない複雑さがあったりします。。。
今回ご紹介しているカリラディスティラーズエディションでは、このモスカテルシェリーを熟成させた樽を再度使い、仕上げ熟成しています。
後熟期間は明記されていませんが、シリーズの説明をそのまま受け取るならば3ヶ月〜半年ということになります。
モスカテルを使って作られるワイン(シェリー)は甘口。
モノによるかも知れませんが、このモスカテルシェリー樽を使ったカスクフィニッシュのウイスキーは円熟していながら、どこか軽やかな仕上がりになる印象があります。
当ブログでの登場回数は多くないですが、「【レビュー】ベンリアック22年 モスカテルカスクフィニッシュ 46%の味と評価は?」をすでにご紹介しています。
近年では、以下のようなオフィシャルリリースがありました。
(リンクはAmazonに飛びます)
- グレンアラヒー 11年 モスカテルウッドフィニッシュ
- トマーティン 15年 モスカテル カスクフィニッシュ
- カバラン ソリスト モスカテル カスクストレングス
- レイクス ザ・ワイン モスカテルカスク
- シングルモルト余市 モスカテルウッドフィニッシュ
- シングルモルト宮城峡モスカテルウッドフィニッシュ
ボトラーズ銘柄からも目にすることが増えてきており、ウイスキー好きの間でも馴染みのある言葉になってきていますね。
熟成年数・蒸留年・瓶詰め年について。11〜12年熟成モノ
ディスティラーズエディションには熟成年数が表記されていませんが、リリースによって異なる「蒸留年」と「瓶詰め年」が記載されています。
何月かまでは記載されていませんが、熟成年数をおおむね知ることができ11〜12年熟成。
調べる限り蒸留年が1995年あたりまではリリースが確認でき、全てモスカテルカスクフィニッシュ、12年熟成という同様の仕様でした。
年代によって味わいが変わることはウイスキーの楽しみのひとつと言えます。
同じスペックとは言えども、できることなら毎年のリリースを順番に飲んでいってみたいですねぇ、、。
まとめ✍
カリラの個性が際立ったとても魅力的なブレンド、仕上がりに感じてとても大満足でした!
カリラはボトラーズ銘柄もかなり面白く、いつも意外性とバリエーションの豊富さにびっくりさせられます。まさにカメレオン俳優。
カリラについては「【レビュー】カリラ12年の味と評価は?蒸溜所の様子とラインナップをご紹介」でも詳しく書いているのでぜひご覧になってみてください。
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— ウイスキー藤村🥃 (@whiskyfujimura) September 14, 2022
意外にも1万円だすとお釣りが返ってきます。