今日は!ブンブンブン♪🐝なウイスキー…
ブナハーブン12年
のご紹介です!
【#蒸溜所ダイジェスト】
ブナハーブン蒸溜所🥃ツアーに参加の予定だったが時間が合わず参加できず…ただそのかわり特別に限定ボトルをいくつも試飲させてもらえた。ビールカスク熟成のものとか面白いしうまかった🍺蒸溜所ごとに「ノリ」みたいなものがあるが、陽気で軽いノリはとても好きだったな… pic.twitter.com/PKE7f7Ea3V— ウイスキー藤村🥃ウイスキーレビュー毎日更新 (@whiskyfujimura) June 27, 2018
↑蒸溜所の様子が2分20秒の動画でご覧になれます
ブナハーブン12年
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ブナハーブン12年とは
創業1881年の「ブナハーブン蒸溜所」は、ウイスキーづくりの名所、アイラ島にある蒸溜所で、ロバートソン&バクスター社のウィリアム・ロバートソンとグリーンリース兄弟によって設立されました
アイラ島では希少なピートをほとんど炊かない製法でつくられたシングルモルトウイスキーで、フレッシュな風味が特徴です。
よりウイスキー原酒本来の味を追求するため、冷却ろ過を行わず、ナチュラルカラー、アルコール度数を従来の40度から46.3度に変更しました。
ラフロイグやアードベッグをはじめ、スモーキーなイメージであるアイラウイスキー
設立は1881年。キルホーマン蒸溜所が建設されるまでは最新の蒸溜所でした
アイラ島の中でも孤立した場所に位置しています
「ブナハーブン(Bunnahabhain)」とはゲール語で「河口」という意味
蒸溜所はマーガデイル川の河口にあり、上流から水を引いています
「カティ・サーク」「フェイマス・グラウス」「ブラックボトル」などのブレンドに使われることが多かったのですが、1979年になってからはシングルモルトとして販売されるようになりました
アイラウイスキーの中でひときわ「異彩」を放っている蒸溜所が今回ご紹介するブナハーブン蒸溜所
なぜ「異彩」なのかについてお話ししましょう!
「ブナハーブン」は「河口」という意味
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アイラらしくないアイラウイスキー?
アイラウイスキーっていうと「スモーキー」「煙っぽい」「正露丸」「クセが強い」など言われることが多いです
例えば「ラフロイグ」なんかはキャッチコピーに「Love or Hate(好きか嫌いか)」と書いちゃうくらい個性的です
そんなかんじでアイラウイスキーの多くはピートというスモーキーの素みたいなもので燻すため、味わいにスモーキーさが伴うんですけどこのブナハーブンは違います
実際に飲んでみるとほとんどスモーキーさは感じられない。だけどニュアンス的にあるかなぁ?というような感覚になります
調べてみるとブナハーブンの製造に使われる原料の大麦には2ppm以下という値のスモーキーさを添加しているんですね。これをフェノール値っていいます
フェノール値が2ppmっていう量が多いかどうかですが、例えば同じアイラウイスキーの「ラガブーリン16年」や「カリラ12年」では35〜40ppmと言われているのでかなり少ない量ですね
ほとんどノンピートといってもいい量の、ほのかなスモーキーさであり、「スモーキー」=「アイラ」という常識をくつがえしてくるため、まさに「異彩」…
ちなみに味わいにスモーキーさをもたらす要因として、使う水にもよってきます
アードベックなどで使われる水ではピートを含んだ茶色っぽい水を使うのに対して、ブナハーブンではそこまでピート色は濃くないといいます。唯一無二感あって素敵!
ブナハーブンはスモーキーでないアイラウイスキー
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ブレンデッド用ウイスキーとしての歴史
蒸溜所は1887年の設立でありながら、シングルモルトの発売は1979年になってからなので、90年近くはシングルモルトを作ってこなかったんですね
じゃあそれまでの間は何してたの?という話になりますが、ブレンデッドウイスキー用のモルトウイスキーを作っていました
有名なところでは船の絵がかわいいBBRの「カティ・サーク」、スコットランドにてもっとも飲まれているといわれる雷鳥ラベルが特徴の「カティ・サーク」「フェイマス・グラウス」、アイラ島の蒸溜所をすべてブレンドにもちいたという「ブラックボトル」などがあります
このなかでも「ブラックボトル」はブナハーブン蒸溜所をホームとして作られています
↑「ブラックボトル」
ただ近年のウイスキーブームにより、ラガブーリンなどの原酒が手に入りづらくなったこともあり、1990年代に入るとブナハーブンでもヘビーピートのウイスキー生産を始めます
(※蒸溜所設立当初からヘビーピーテッドタイプの生産をしていたという話もあるのでもうちょっと調べたら追記します)
これは主にブレンデッド用であり、シングルモルト用ではなかったのですが、「ブナハーブン トチェック」「ブナハーブン モアンヌ(モイネ)」というピートタイプのラインナップも追加されるようになっていきます
↑「ブナハーブントチェック」…トチェックとはスモーキーという意味
↑「ブナハーブン モアンヌ(モイネ)…モアンヌはピートという意味
そんなブナハーブンの生産体制の変化から、より一層アイラウイスキーが世界から求められていることがわかってきます
現在では約1割がスモーキー・ブナハーブンの生産をしているといいいます
ブナハーブンは元々ブレンデッド用ウイスキーを生産さていた蒸溜所
こだわりのノンチル・フィルタード製法
このブナハーブンはノンチル・フィルタード製法といって、冷却ろ過をほどこさない製法を採用しています
最近はよくノンカラード、ノンチル・フィルタード製法のウイスキーをみますが、ウイスキーすきとしては背伸びしないすっぴんの姿を見せてくれるのはとても嬉しいことです
実際にブナハーブン蒸溜所に行ってきましたが、とても素朴な作りで飾り気ないのが好印象
アイラウイスキーの中だけでも明確なウイスキー観の違いが見て取れ、ブランドの世界観がよく伝わってくる
現地に行くのはとても大切に思えます
↑故郷を目指す船乗り(水夫)のイラストが描かれたラベル
遠洋航海にでたスコットランドのアイラ島、ジュラ島の島影を目印に帰ってきたという内容の「Westering Home」というスコットランド民謡に出てくる船乗りがモデルらしいです
現在のボトルには書かれていませんが、旧ボトルにはその民謡の歌詞が書かれていたというので気になりすぎて夜も眠れません
ラベルの船乗りはスコットランド民謡がモデル
トップはコルク式ですね♪
アイラ島のイラストが描かれています
それでは…
ウイスキー藤村’sコメント
アイラで異彩を放つブナハーブン…
実際の仕上がりはどうなんでしょうか…
たのしみたのしみ…
ブナハーブン12年の香り
くんかっ…..くんかっ……………..おぉ…………
かつお節だし、生乾きの洗濯物感、完熟のマンダリンオレンジ、黄色い花、ソーダ、パインキャンディ、若いバナナの皮、ソルティ、チリソース、モルトのコク、バターのマイルドさを感じる…
香りだちは強く、コクがあり南国フルーティに感じさせながらも厚みを感じます…
コクがあり、モワッとするほどの濃密な雰囲気から洗濯物のような生乾き感がある…
豊かなコク感とともにちょうどいい塩気を感じますね…
ほのかに早熟バナナの皮のニュアンス…
甘酸っぱさとスパイシーさはチリソースのよう…
全体的にコク感がよくありバターやかつお節だしを連想する…
ブナハーブン12年の味
すーっ………………ごくんっ……..んんん……..
かつお節だし、安定感がある、完熟マンダリンオレンジ、うまみのあるハチミツ、中華感、チリソース、ただよう擦れたゴム感、ダークチョコレート…
舌へのアタックは中程度…ややねっとりとした舌触り…
だけど猫の舌のようにざらっとした感覚が残る…
やはりコクがとてもあり旨味を感じます…
ざっくりとした印象が中華料理感…チリっぽさにもとれるスパイシーさ…
完熟のマンダリンオレンジがとても甘い…
香りではあまり気がつかなかったシェリー樽由来の焼けたゴム感が優しく漂います…
ダークチョコレートのオトナビターが心地よく続いていくようだ…
ブナハーブン12年のまとめ
今日は「ブナハーブン12年」をご紹介しました
今回のウイスキーも、とってもおいしくいただきました🙏
全体として圧倒的な足腰、安定感の強さを感じました
旨みやコクがその安定感を生んでいるようで、そこにアクセントとして効いている塩気がさらに旨みやコクを引き立ているのが印象に残りました
女性らしくあたたかな印象は完熟のオレンジから…
ほほえむようにおとなしい静かな笑顔…
締めに向かうほどに輪郭を引き締めてくれるようなダークチョコレートのオトナビターがきいており、現実に引き戻すような、だけれどそんなに悪くないような地に足ついた感覚にさせてくれる。
どこか母性を感じる仕上がりで、夢を見せながら、支えるようにしてくれているような立ち位置。半歩下がって寄り添ってくれる…
なんて優しいウイスキーなんだぁ…
Amazon価格で4,986円(税込)。
「ブナハーブン12年」。
まだ試したことがない方はぜひ、試してみてはいかがでしょう?
以上、ウイスキー藤村でした!
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どうもウイスキー藤村です!